原口ももよです。
少し前にこちらの本を書いました。
睡眠障害に関する本を買いました🌟過眠症についても載ってます。読み終わったらレポートします pic.twitter.com/sN1QN5FAzS
— ももよ@ナルコレプシー (@momoyo_ym) 2018年1月13日
ナルコレプシーと診断されてしばらく経ちます。最近ブログを書き始めて、「自分自身が意外と持病について知らない」ということに気付きました。何か調べながらじゃないと、周りにうまく説明できないんです。
なので、きちんと勉強して見たいと思いました。その際、インターネットで調査をするよりも、書いている人がどんな人なのかわかる書籍のほうが確実だろうと思いました。
そこで出会ったのがこちらの本です。
一通り読み終わったので、レビューしたいと思います。
目次
「睡眠障害のなぞを解く」を読んで
著者:櫻井 武先生
覚醒を制御する神経ペプチドである「オレキシン」を発見された医学博士の方です。
「ナルコレプシーの原因はオレキシンの欠乏によるものである」と言われています。私は初めて病院にかかったとき、お医者様から直接言われました。これで櫻井先生がどれだけ睡眠と関わりのある先生なのかよくわかります。
自分はナルコレプシーですが、お恥ずかしながら櫻井先生のことはこの本を手にするまで知りませんでした。スイマセン…。
内容について
まず「睡眠とはどんな状態か?」から教えてくれる
「睡眠」ってなんなの?って考えたことありますか?わたしはないです。
自分自身が睡眠障害なのに、今まで考えたことはありませんでした。睡眠といえば、眠って疲れを取る…そんな説明になってない説明しかできません。
この本は「睡眠とは何か」ということから丁寧に教えてくれました。医学的には、睡眠とは以下のことを指すそうです。
「睡眠とは、外部の刺激に対する反応性が低下した状態であり、用意に回復するもの」
出典元:睡眠障害の謎を解く
つまり、植物状態や脳死など、容易に回復できない状態の場合は「睡眠」に当てはまりません。
不眠症や過眠症のこと
睡眠障害の謎を解く、というタイトルなだけあって、それぞれの病気について詳しく解説してくださっています。不眠症や過眠症になる原因と、その先の治療についてまで。
たとえば私の持病であるナルコレプシーについてですが、睡眠発作や脱力発作、入眠時の幻覚から検査方法、処方薬の種類まで、すべて網羅されていました。
ナルコレプシーは、患者さんになってみなければ理解できないほどの強烈な眠気を主訴とします。勉強や仕事の効率が上がらず、本来の実力が発揮できなくなりがちです。
出典元:睡眠障害の謎を解く
こちらはナルコレプシーについての書き出しを一部抜粋したものですが、その通りだと思います。ほんと、普通だったらありえない場面で寝るんです。
ナルコレプシーの発症は10代に多く、14〜16才でピークを示し、有病率は日本では0.16%〜0.18%と推定されています。14〜16才といえば、我が国では勉強が忙しいことなどで夜更かしをする人も多く、睡眠時間が減りがちになる頃です。そのため、発症しても、周囲の人はもちろん、本人ですら気付かないのです。
出典元:睡眠障害の謎を解く
実際、私も何年も気付きませんでした。眠りは生きていく上で必要なことです。日常生活の一部だからこそ、異常な眠気が異常なことだと思えないんです。
最近、友人に自分の病気について説明する機会がありました。ただ、なんとなく過眠症って説明しづらくないですか?私はうまく説明できる自身がなくて。なので、この書籍を一緒に読みながら説明することにしました。
私が調べた限り、過眠症について書かれている書籍はあまりありません。
(ナルコレプシーの研究、という本もあったのですが、今は絶版しているみたいで買えず…)
今は便利なIT社会ですが、発信源がよくわからないインターネット上の情報はどこまで信じていいのかわかりません。
こちらの本はとてもわかりやすく、言葉も易しいので初心者でもスラスラと読むことができます。友人も私の持病について理解してくれましたよ。
眠りに関する噂についても触れている
・体内時計は25時間って本当?
・8時間寝なくちゃいけないって本当?
・睡眠にゴールデンタイムがあるって本当?
…などなど、睡眠障害じゃなくても知りたくなるような、誰しも聞いたことあるような噂についても触れています。
特にゴールデンタイム!少なくとも女の子なら一度は聞いたことがある噂だと思うのですが、「10時から2時はお肌のゴールデンタイムだから、この時間しっかり寝るとお肌に良い」ってよく言いますよね。
試したことありませんか?私はありますよ〜女はいつだって必死ですからね!(笑)
でもこれ、実は根拠はないんだそうです。日中にきちんと覚醒して、規則正しい睡眠をとることが大切なんだそうですよ。10時から2時だけ寝ればいいって問題じゃないんだって。今までの努力って一体…。
まとめ:睡眠障害じゃなくても読んでほしい
もちろん不眠や過眠に悩む人にも読んでほしいです。自分の病気のことがよくわかるし、その他にもいろんな睡眠障害があるのだと学ぶことができます。ただ、睡眠障害じゃない人にもぜひ読んでほしいです。
正直、睡眠障害って、なってみないとその辛さはわからないと思うんです。
職場で顔色が悪いあの人、もしかしたら夜眠れていないのかもしれない。
学校で寝てばっかりのあの子、もしかしたら病気かもしれない。
そんな風に考えたことはありますか?なかなかそういう考えはできないと思うんですよ。甘えだ、と思っちゃうかもしれないです。でもそれも、ある意味当たり前だと思うんです。辛さを知らないからですよね。
この本には睡眠関係の病気のことがかなりわかりやすく書かれています。一人でも多くの人がこの本を手にとって、睡眠障害について理解してくれる人が増えたらいいなあと思います。