“好き”の生き方

元女性自衛官の雑記になっちゃったブログ

父は仕事を辞めている。疲れたら休んでいいんだよ。

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全国の頑張るお父さんへ。

私の父の話をしてみます。

父は仕事をやめている

私が幼稚園の頃


私がまだ幼い頃、父はそこそこの会社で、そこそこの役職で働いていた。幼いころの父の記憶は残念ながらあまりない。ほとんど帰ってこない人だったからだ。


私が朝起きる頃に家を出ていき、帰って来るのは私が寝た後だった。父は土日すら仕事をしていたので、私はスーツ姿の父しか知らなかった。


当時、父の収入はかなりよかったらしく、母は専業主婦だった。母はいつでも家にいたのに、父はほとんど帰ってこなかったから、私は「どうしてお父さんはいつもいないの」、と言っては母を困らせた。


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しばらくして、弟が生まれた。母が弟に取られたみたいで面白くなかった。見兼ねた父が何度か仕事場に連れていってくれた。それが何回か続くうち、父の仕事についていくのが当たり前になった。


いつのまにか父の職場が私の遊び場になって、私を助手席に乗せて取引先の会社に向かったこともあった。私はいつも助手席で待機だったけれど、働く父の姿はカッコよかった。

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父が突然仕事に行かなくなった


父が仕事を辞めた日の記憶はない。物心がついてからのことなので、覚えていないということはないと思う。


おそらく、両親が子供には勘付かれないようにと気を使ってくれたんだろう。これは大人になってから、ほとんど母から聞いた話だ。


私が小学校に上がったころ、父が突然仕事に行かなくなったらしい。辞めたのではなく、行かなくなった。ベットから出てこなかったそうだ。


行かなくなった、というより、行けなくなったのほうが正しいんだろう、と思う。ある日突然、立ち上がる気力も失ってしまったらしい。


それは所謂無断欠勤というやつで、家の電話には会社からの電話が何件も入ったらしい。母が取り次ごうとしたが、父が電話に出ることはなかった。そして数日後、そのまま退職となった。父が勤め先だった会社に行くことは2度となかった。


その後、父は何度か正社員として再就職しようとしたものの、うまくいかなかった。


母がパートに出るようになった。父は日雇いの仕事をしたり、大型トラックの運転をしたり、父はなぜか2種免許まで持っていたので、タクシーや運転代行でも働くようになった。でもどれも長続きしなかった。


この頃から父はお酒を飲んで昼からどこかをふらふらするようになった。酔っ払った父は怒りっぽくて苦手だ。


夫婦仲は一時期最悪だったと思う。「稼ぎが良かった頃の父」を知っている母は、なかなか現状を受け止められなかったんだと思う。


私は3人兄弟なので、子育てにお金がかかっていることは小学生の私にもわかった。ふたりは喧嘩ばかりで、怖くて、私は泣いてばかりだった。

私が大人になってから

最近、あの時の話を父がしてくれた


なんだかんだ、私は大人になった。弟ふたりもだ。
あれから15年以上経って、最近になって初めて父が当時の話をしてくれた。

・所謂ブラックに近い会社にいたこと。
・毎日朝から晩まで、日付が変わるまで仕事をしていた。休みなんかなかった。
・これ、いつまで続くんだろうと思った。
・あるときどうしても我慢できないことができて、そのまま会社に行けなくなった。
・退職が決まった時、正直ホッとした。やっと終わる、と思った。


当時の状況については母から聞いていた話でほとんど間違いはなかったけれど、父の当時の気持ちを聞くのは初めてだった。社会人になって自分も働くようになって、父がどれだけ苦しかったかようやく理解できるようになった気がする。


苦しくなった。何も知らずに父を責めたことが何度もあったからだ。でも、父は私たちを食わせるために頑張ってくれていた。


父のことが知りたくて、父の旧友たちに昔の父がどんな人間だったのか聞いたことがある。昔の父はどんな人だったのか聞くと、口を揃えて「真面目だった」と言った。父は真面目すぎたのかもしれない。真面目で、頑張りすぎてしまったんだろうね。

会社なんかやめていいよ


自分が壊れてしまうくらいだったら。


家族全員経済的に苦労したことは事実だが、結果として私も弟たちも(一部まだ学生ではあるが)大人にはなれた。


あのまま父が働き続けていたら、父がどうなっていたかわからない。それに、私は父のことを全く知らないまま大人になっていたかもしれない。


ちなみに、父はだいぶ元気になった、と思う。でも昔の無理がたたって生活習慣病なので、そこは少し心配かな。


パートを頑張っていた母は、いつのまにか社員になっていた。今では仕事が生きがいみたいで、たまに実家に帰ると嬉しそうに仕事の話をしてくれる。最近では転勤の話までちらつくようになってきた。


今回この記事を書こうと思ったのは、あまり子供から見たブラック勤めの父の話って聞かないから。無理してほしくないと思ったから。


全国のお父さんが、家族のことだけじゃなくて、自分のことも大切にできる環境ができますように。


ももよ